28日、バイデン大統領の息子、ハンター氏を議会に招いて行われる非公開証言が、米下院で行われます。現在、米東部時間の午前9時10分すぎなので、今頃ちょうど始まった頃でしょうか。ハンター側が公開証言でなければ応じない、と言ったり紆余曲折ありましたが、これまで下院の監視委員会などが1年以上かけて散々煽ってきた疑惑の調査も、ようやく本人の登場とあって、いよいよ大詰めです。

Deposition(証言録取)というこの証言では、まず共和党から質問攻めに遭い、その後民主党からの質問の時間も同じ分だけ設ける、という形が取られます。非公開ですが、後日、やり取りを文字起こししたスクリプトが公表されることになっています。

今回の証言で問われるのは、バイデン氏の弾劾訴追につながりそうな「バイデン家が外国企業から不正に利益を得ていた疑惑」が中心ですが、おそらく直接関係ないスキャンダルも合わせて追及される可能性大です。

ハンターのことはこのブログでも何度も書いてきましたが、ハンター・バイデンという人はゴシップレベルのスキャンダルから深刻な刑事事件まで、とにかく疑惑の宝庫。あまりに多すぎてわけが分からなくなりがちです。

そこで今回は、ハンター・バイデンにまつわる疑惑をざっくりリストにまとめる回を一度設けてみました。今後もハンターのネタは取り上げていきたいと思うので、そのときに大元はどんな話だったかを手短に参照できる場になればと思います。

その前に、ハンター・バイデンのプロフィールを手短に・・・

ハンター・バイデン来歴

1970年2月4日、デラウェア州生まれの54歳。父親は第46代米大統領のジョー・バイデン。兄は元デラウェア州司法長官のボー・バイデン(2015年5月に脳腫瘍で死去)。2歳のとき、自動車事故で母と妹を亡くし、同乗していたボー共に重傷を負うが一命をとりとめる。1992年にジョージタウン大学、1996年にイェール大学ロースクールを卒業。以降、民間企業や弁護士事務所で金融コンサルティング系のキャリアを積み、企業や公的機関の役員なども歴任する。私生活では1993年にキャサリン・ビュールと結婚。3女をもうけるが2017年に離婚。2019年にメリッサ・コーエンと再婚。1男をもうける。アルコールとコカインの依存症に長年苦しんでいたことを公表している。

目次
  1. A. 外国企業とのビジネス問題
  2. A-1.ウクライナ
  3. A-2.中国:「BHRパートナーズ」
  4. A-2.中国:「CEFC」
  5. A-3.ルーマニア
  6. A-4. ロシア
  7. A-5. カザフスタン
  8. B. 銃を不法購入
  9. C. 脱税
  10. D. アルコール依存症
  11. E. コカイン依存症
  12. F. 海軍を除籍
  13. G. 「ハンター・バイデンのラップトップ」
  14. H. 「子供作っちゃった」問題
  15. I. アートでボロ儲け問題
  16. J. 外国代理人登録法違反の疑い社会運動とその影響

    A. 外国企業とのビジネス問題

    2010年代、父親のジョー・バイデン(以下、ジョー)が副大統領だった時期と並行して、ハンターが複数の外国企業とコンサル事業で提携し、ビジネス取引で多額の利益を得ていた問題。取引相手はウクライナ、中国、ルーマニアなど(それぞれ個別に詳述)。これを理由に、下院共和党はバイデン大統領の弾劾訴追に向け調査を進めている。

    調査担当機関:
    議会下院の監視委員会、司法委員会、歳入委員会

    疑惑の本質:
    いわゆる「利益相反」の疑惑。よりによってジョーの外交相手国の企業と、ハンターがビジネス取引をしていたのでは、外交を利用して金儲けができてしまうではないか、それは倫理的・法的にNGだろう、という話。

    調査の焦点:

    • ジョーが、ハンターの取引先企業に便宜をはかっていなかったか
    • ハンターがビジネス取引の際に、父親が副大統領という立場を悪用していなかったか
    • ハンターの事業によって、ジョー自身が金銭的利益を得ていなかったか(特に現役の副大統領時代)

    真偽:
    2024年1月現在、利益相反があったという明確な証拠は見つかっていない。ただ、ハンターの取引先パートナーとジョーが会食したときの写真など、疑わしい写真やメールが出ていたりはしている。

    深刻度(星1〜5。筆者の個人的評価):
    ★★★
    バイデン大統領弾劾に十分なレベル(あくまで疑惑が本当だった場合)。ただし、長く調査している割には証拠が出てこないので、頭打ちになりつつある。

    今後の展開:
    下院の各委員会が引き続き調査し、結果によってはバイデン大統領の弾劾訴追決議案の採決に移る。証拠しだいでは、ハンター自身の訴追を司法省に促す可能性もあり。

    ただ、共和党が疑惑をクロとするにはジョー・バイデン本人がハンターの事業に直接関与した、またはそこから直接の利益を得たことを立証しなければいけないところ、未だ言った言わないの水掛け論しかできていない。また、ハンター自身は一般人なので、仮に父親の影をセールストークにちらつかせていたとしても違法性はない。

    Memo:
    外国企業を巡る疑惑には、ハンターが仕事仲間らと共同設立した「Rosemont Seneca Partners」という会社やその関連会社「Rosemont Seneca 〇〇」、ハンターの税務上のペーパーカンパニーと見られる「Owasco PC」といった名前が頻繁に上がるので、この名前を押さえておくと便利。

    コメントを残す

    メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です